2号「食」

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 シニアかわら版2号
 シニアかわら版2号(2009年2月)

 

・男子厨房に入るべし「遊び心で」長続き(1面)

 今や「社会的要請」とまで言われる男の料理。70歳代後半になってゼロから手習いに踏み切り、夕食は一手引き受けという近藤陽紀さん(79)=西原町=を訪ねました。

 

 ――健康を自分で管理したり、親や連れ合いの介護にそなえたりと、シニア男性も料理できることが必要と言われています。
 私の場合は、家内が外で働き夜遅く疲れて帰宅するのを見かねて、「食事はおれがやってやる」と宣言しました。3年ほど前のことです。ところが餌のようなものしか作れない。それまではお茶さえ入れたことがないくらいですから。そんなとき、市報でシニア男性対象の料理講座の募集記事を見つけ、参加しました。


――市の講座だけで終わらなかったそうですね。
 講座は無料で、出来合いのものに一手間加える程度の簡単な料理を教わったのですが、すぐに大勢の人が物足りなさを訴えるようになった。そこで3カ月の受講期間が終了してからも、月1回、1人千円を出し合い、1年間本格的に教わったのです。市や栄養士会が協力してくれました。


――有名レストランの料理教室にも通ったとか。熱心です。
 2007年4月から1年間、丸の内の東京會舘の男性シニア教室に月2回通いました。授業料は材料費込みで半年分4万円。私は内心「高いな」と思ったのですが、家内はエプロン代などを上乗せして出してくれました。受講者は20人いて、1人も脱落しなかった。みなさん、遊び心が旺盛で。市の講座もそうでしたが、必要に迫られてやるのでは長続きしないでしょう。


――家庭の食事作りで気をつけていることは。
 作りながら食器を片付け、片付けながら作れ―を肝に銘じています。半年もたつと、それが自然なリズムになりますよ。まな板や包丁はまめに洗います。バターと肉を摂取しすぎたという反省もあります。


――毎日作るのを負担に感じることはないのですか。
 私には時間がたっぷりあり、まず買い物を楽しみます。店先で材料を見てから何を作ろうかと。台所に立ったら、「失敗してもいいや」くらいの気持ちで、これまで習ったものに変化をつけて冒険する。ケチャップとマヨネーズを使い間違えた失敗談を知り合いから聞きましたが、5回に1回くらいは発見があるものです。それでもたまに「おまえ、作ってくれ」と家内に頼んだり、外食に出たりすることはあります。


――奥さんはどう受け止めていますか。
 私が作り始めて1年間は何も言いませんでした。まあまあの出来になって、ちょっと意見を言うようになりました。「生ごみが2倍になった」とも言われました。世の奥様方には、だんなさんが料理を失敗してもほほ笑んでやる、まあまあの出来ならオーバー気味に褒めてやる、ということをお願いしたいですね。夫婦のコミュニケーションが良くなること請け合いです。 

 

 

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