7号「防犯」

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シニアかわら版7号
シニアかわら版7号(2009年7月)

・「拍子木鳴らしパトロール」

       市防犯協会住吉町支部
(1面)

 「カーン、カーン」
 夜の住宅街に拍子木のさえ
た音が響きわたる。西東京市
防犯協会住吉町支部(南部敏
郎支部長)の防犯パトロール。
今は珍しくなった懐かしい光
景に同行させてもらいました。


 暗闇が覆いはじめる午後7
時前。住吉町3丁目、農業加
藤武弘さん(67)宅の倉庫に、
黄緑色の反射ベストを着た人
が集まってきました。ハトロー
ルは、雨が降らないかぎり毎
週木曜日の夜に行うと決めて
いて、夏ならば7時出発。冬
になると5時ごろに早まると
言います。
 倉庫の中には4組の拍子木
が掛かっていました。初代支
部長で現総務部長の鈴木和子
さん(73)の話では、携帯ラ
イトだけでなく、もっとイン
パクトのあるものをという声
が内部から出て、7、8年前
から拍子木を使うようになったそう
 現在使っている拍子木はケヤキ。
加藤さんの敷地の端にそびえていた
樹齢50~60年のケヤキの落ち葉が迷
惑だと、市役所に苦情を持ち込まれ、
やむなく一昨年切り倒したと言いま
す。「夏は緑陰を恵んでもらってい
たはずなのに…」と今も嘆く加藤さん。
 その木を知り合いの工務店
が引き取り、1年ほど乾燥し
て拍子木に生まれ変わらせま
した。


 大相撲の呼出が鳴らす拍子

木は桜で、このほか紫檀、黒
檀、カシなどが使われている
ようです。材がケヤキという
ことも珍しいかもしれません。
手に取ってみると、意外と重
く、硬質な感じでした。


 パトロールはいつも10人ほ
どのメンバーが3班に分かれ、
住吉町全域(1~6丁目)を
1時間かけて回ります。空気
が澄む真冬は、数百㍍離れた
別グループの打つ音が互いに
聞き取れるそうです。


 拍子木の音が近づくと、一
人暮らしのお年寄りが玄関を
開けて「ご苦労さま」とねぎ
らってくれたり、「音を聞く
だけで楽しみ」 「来ないと心
配」と話し掛けてくれたりす
ることがあると言います。


 この日は出合いませんでし
たが、自転車の2人乗りや無
灯火を注意することや、街路
灯の球切れを見つけて早く交
換してもらうことで、事件事
故につながりそうな芽をいち
早く摘み取っています。

 

住吉町に限って調べた数字はない
ようですが、南部支部長
(68)は「市内ではひったく
りや空き巣被害の発生は少な
い地域のはずです」。


 毎週同じ曜日の同じような
時間帯の巡回は「犯罪者に手
の内をさらしているようなも
のではないですか」と質問す
ると、南部さんは「そういう
ことのできる地域だから、日
常の監視や見守りも厳しいと
いうメッセージになっている
と思います」と自信に満ちた
答えが返ってきました。


〈あとがき)犯罪発生の抑止
力になっているという気概の
人たちにも、外部には言いに
くい思いがあるようです。パ
トロールなどの活動中に「い
くらカネをもらえるんだ」
「1時間いくらだ」と半ば本
気で聞いてくる人がいると言
うのです。防犯協会の年会費
を払ったうえに、ボランティ
アでやっているのに。
    (谷戸町・三浦)

 

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・「みんな気をつけて!大金を失った友人たち」(3面)
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