8号「学ぶ」

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シニアかわら版8号
シニアかわら版8号(2009年8月)

 

・学びの達人雑「学」を語る(1面)

 13年を超え、700回に近づいている東京雑学大学の講義に坂田正雄さん(83)=保谷町=は、なんと99%も出席しているという。
 継続こそ力なりというが、どのようにしてそれが可能となったのか、その「謎」に迫ってみたいと私は、インタビューに臨んだ。始終笑みを絶やさず伸び伸びした気風を感じさせる、一言で言うと坂田さんはそんなお人柄だった。さぞかし学ぶことに真っ正面から取り組む緊張感にあふれた人柄を想像していた私は、ちょっと面食らってしまった。


――東京雑学大学との出合いは?
「私は、平成6年に脳梗塞で倒れました。退院しても好きなゴルフはできなくなり、脳がボケないようにするにはどうしたらいいか、考えていました。そんな時、新聞記事で東京雑学大学発足のことを知り、これはいいと第1回の講義(平成7年)に出席したのです」


 ――それからずっと出席ですか?
「そうです。雑大(東京雑学大学)の原則は、授業料なし、講義の謝礼なし、会場費もなしの3なしで、私にとってありがたかったのですが、正直長続きするのかなと思ったこともありますが、すでに13年を超えました」


――雑大では、年間の授業出席率が80%を超える方に「好学賞」を贈っているのですが、坂田さんは13回連続でトップでしたね。
「ありがとうございます。老後の脳のリハビリになればいいと始めたのですが、雑大に通うことで、学問はもとより新たな人との出会いもあります。出歩くため運動にもなり、出先での食事も楽しみです。頭の体操、交際、運動、食事と雑大のおかげで生活のリズムができています」


――学ぶことがお好きなのでしょう?
「ええ、講義では必ず質問します。眠っていたら質問できないでしょう。好奇心を絶やさず、疑問をもって臨み、分かったら感動する。感動こそ老化防止の特効薬という話もあるそうですが、今でも左半身は疲れやすく少し後遺症が残っていますが、おかげさまでこの15年間、再発はありません」


 「学ぶ」を楽しむ
「おんがくは、音を楽しむと書きますが、私は、『ざつがく』を雑を楽しむと書きたい。なんでも好奇心旺盛に学びを楽しむしなやかな気持ちが大切だと思っています。
 雑大の週1回の講義のほかに武蔵野大学の『日曜講演会』(毎月第3日曜日)や富士町福祉会館で行われている『高齢者大学』(西東京市が実施)にも出席しています。また、小金井工業高校で行われている『小金井雑学大学』(月2回開催)にも必ず出ています。
 勉強し、友と語らい、感動し、喜ぶ。脳梗塞をやってからずっとこの生活が続いています。現在の体調あるいは生活のありさまから見て、別に変わったことをする必要はない、これが一番、私に合っているようです」としみじみ語る坂田さんが出されたメモには一編の詩が書かれていた。(右上) (北原町・吉田)

 

・毎週あふれる好奇心 東京雑学大学14年目(2面)
・地元の「大学」で学びませんか(3面)
・トンボのめがね。まちの声(4面)

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