地域のお寺と神社

画像をクリックすると紙面(PDF)がみれます。

 

・寺社にぎわいの原点再び(1面 )

心のよりどころや宗教行事の中心として主導的な立場にあった寺社。昨今は、地域住民の側から、まちのにぎわい創出に力を貸してもらう動きが出てきました。 

 

盆踊り、住職が発案

  毎年7月29~31日の夜、総持寺の境内で行われる盆踊り大会は、今は田無商業協同組合の主催ですが、生みの親は総持寺の先々代住職です。 この住職は、田無は古い宿場町なのに盆踊りがなく、「炎天下、農作業に従事して一日を終えた人々に、境内を利用して涼を楽しんでもらえたら」と考え、曲を仏教系女子校の学院長に教えてもらい、振り付けは住職の奥さんが学校で手ほどきを受けた、と自叙伝「五色の日記」に書いています。昭和8、9(1934)年のころとされ、戦後、商店会の主催に移りました。 現在は「一・六の市」といって、春の1と6の付く日に梅や苗木を売る市が行われています。現住職の小峰立丸さんは「盆踊りが商店と寺の活性化になればよい」と話し、田無駅から寺に行くまでに立ち寄ってもらえる特長的なものを作り、寺と商店の共存共栄を考えていると言います。 

 

ライブも 手作り市も 

 元日には約9千人が参拝する田無神社。その境内が5月中旬、独立系のミュージシャンたち(インディーズ)のライブ会場と雑貨などの手作り市の同時開催場所となり、大にぎわいを見せました。次回は10月6日に行われます。 イベントの仕掛け人は、田無駅北口で飲食店兼ギャラリーを経営する佐藤うららさん。今冬客たちと、公園や広場にステージがない悩みなどを話したのがきっかけとなり、客の一人が田無神社宮司の賀陽濟さんとの仲を取り持つかたちで境内を使わせてもらう承諾を得ました。 イベントには神社に祭る龍神や八百万の神々にちなむ名前を付けました。「毎晩のように田無駅ペデストリアンデッキで音楽を奏でる若いミュージシャンのライブや、手芸などまちの作家の作品の展示販売が定期的にできる場づくりに、これからも取り組みたい」と佐藤さんは意欲を語ります。

 

朝市のリレースポットに

  「田無交流朝市」は田無駅ペデストリアンデッキ、総持寺、田無神社の3カ所を会場として平成22年に始まりました。地元の商店街が商店街活性化と魅力あるまちづくりを目指すものです。昨年12月には野菜の販売や保谷和太鼓の演奏はペデストリアンデッキで、花の苗や衣料品は総持寺門前で、阿波踊りやヒップホップダンスなどのパフォーマンスは田無神社境内で行われ、3カ所を回ると買い物券などがもらえるスタンプラリーも取り入れました。 

 

まちおこし 文化に軸足

 小峰さんは「かつての市長から『文化的なものを守ってほしい』と言われ、やらなければならない事業がたくさんある」。賀陽さんは「江戸期は日本文化の集大成。それが田無に残っている。現存する江戸の文化を発掘、発展させましょう」と西東京市のまちおこし試案を持っています。

 

・地域との関わりお坊さんも悩んでいる?(2面 )

・庭園の美 3つのお寺でオープンガーデン(3面 )

・地域のお寺と神社のこぼれ話(4面 )

<読者の感想から>

今号の寺社特集は、地域の習俗に関心のある私にとって
非常に興味深く読ませて頂きました。地域の歴史やそこに
住んでいた人々の営みを知ること、そしてその営みの証の
一端が寺社であることを改めて教えて頂き、とても勉強に
なりました。